——先日、ファンに向けてデビューを発表されたステージの上で、REIKOさんは「僕には音楽しか居場所がなかった」と語られています。あの印象的な言葉はどんな背景があって発せられたのでしょうか?

REIKO:僕は友だちを作るのが苦手じゃないし、割と誰とでも仲良くできる性格ではあるのですが、心の底から共鳴する人とはなかなか出会わなくて。僕はフィリピン生まれのミックスなのですが、自分とみんなが違うことに対していっぱい悩んだ時期もありました。でも今の時代、サブスクがあれば世界中の音楽を聴くことができて、そこには壁がなくて、人の痛みに寄り添ってくれる歌があれば、誰が聴いてもいいし、誰のためでもある。その音楽のボーダーレスなパワーが僕にとっては救いだったんです。

 

——そして、いつしか自分も音楽を“届ける側”になりたいと思ったんですね。

REIKO:本気でアーティストになりたいと思ったのは、「THE FIRST」の最終審査が終わってBMSGのトレーニーになってからですね。オーディション中はガムシャラに目の前の課題に挑んでいて、その先の目標を具体的に描けていなかった部分があるので。ただ、自分の中で最初に意識が変わったのは2019年に始まった「Nizi Project」を見てからだと思います。歌やダンスのレッスンを受けたことがなかったメンバーが最後まで残った姿を見て、自分もオーディションに興味を持つようになりました。いざ「THE FIRST」に参加したら、プロレベルにダンスが上手いSOTA君(BE:FIRSTのメンバー)みたいな人がいっぱいいて、早々に心が折れそうになりましたけど(笑)。

 

——初めて応募するオーディションに「THE FIRST」を選んだのは、やはりSKY-HIさんのメッセージに心を打たれたからですか?

REIKO:そうですね。オーディションのサイトを覗いてみたら、黒い背景に白い文字で日高さんの言葉が綴られていて、「才能を殺さないために」や「BE MYSELF」といったフレーズに惹かれました。日高さん(SKY-HI)が伝えたいことの本質を理解できたわけじゃないけど、理屈抜きで共鳴してしまうというか。「なんだか、いい予感がする。これしかない!」という気持ちで応募しました。

——長男が厳しい世界に挑戦することを、ご両親は最初から応援してくれていたんですか?

REIKO:両親には「THE FIRST」の二次審査を受ける前日に告げたのですが、反対されることはなく、ずっと応援してくれていました。お父さんが映像関係の仕事をしているので、クリエイティブな業界を目指すことに理解を得られやすかったのかもしれません。それは最終審査が終わってBMSGにトレーニーとして所属することを決めた際も同じで、僕が上京することに対して背中を押してくれました。お母さんは「家から通えるんじゃない?」とも言っていましたが、特別な事情がないのに愛知県から新幹線でレッスンに通うのは、さすがに時間とお金がもったいない気がするので(笑)。


中編は10月8日(日)、後編は10月9日(月)公開予定です。

<INFORMATION>REIKO
「BUTTERFLY」
2023年10月6日(金)

 

デビュー曲「BUTTERFLY」はプロデューサーにMatt Cab、DJ UPPERCUT、トップラインに虹色侍ずま、藤田織也と豪華制作陣を引き連れて完成した極上のR&B。タイトルのみならず歌詞にも登場する「butterflies」という言葉には、”胸がざわめく”や”ドキドキする”という意味もあり、甘く切ない恋心を表現しているそう。コレオグラファーとしてs**t kingz(シットキングス)のOguriが参加、曲の細部までREIKOの魅力を引き出すことに拘っています。「No More」と同じく新保拓人監督が手がけたミュージックビデオは、大人っぽいプレデビュー曲から一転、ミュージカル調の演出がチャーミング! 要チェックです。
REIKOオフィシャルアカウント
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撮影/榊原裕一
ヘア&メイク/椎津恵
スタイリスト/宮崎卓弥
取材・文/浅原聡
構成/坂口彩