つらさを理解しているからこそ、言い出せないことも


はなさんは、息子さんとB君の能力差を感じていらっしゃるようですが、ご自身でも反省されているようにそれは息子さんにも失礼です。子供は、将来に向けて様々な環境ごとに壁にぶつかって学び、ハードルを乗り越えて、自分らしいそれぞれの個性を伸ばしていきます。今はお子さんのありのままの姿を見て、そのかけがえのないギフトを愛おしんであげてください。“なんて優しい顔をしているんだろう”、”なんて可愛い爪の形をしているの?”、なんでもいいのです。ありのままの自分を受け入れてくれているという親の愛を信頼することで、子供は1人1人のペースで個性に合わせて成長していくのです。

それにAさんも、妊娠を告げなかったのには悪気はなく、はなさんと同じで何度も報告しようとする度にうまくいかず、辛い思いをしていたのかもしれません。そして、はなさんが不妊治療を頑張っていたこと、ご自身の経験も交えて色々と教えてくれたこともあって、妊娠のことは彼女なりに筋を通して、直接伝えたかったのかもしれません。

実は私も、同じようなことがありました。同時期に治療に励んでいた友人が「最近どう?」と何気なく尋ねてきたので、「まだみたいなの」と答えると、「私もそうなんだ」と彼女。ですがその後、彼女に妊娠がわかりました。会話を遡ってみると、私と話した時に彼女はおそらく、妊娠がわかっている頃でした。でも、私が「まだみたい」と答えたので、気を使ってなかなか言い出せなかったのだと思います。

彼女も安定期に入る前で、言っていいものかという不安もあったのでしょう。だから安定期に入ってお腹が大きくなってきたタイミングで、「誰かから話が回る前に、直接伝えたいと思って!」と妊娠を報告してくれました。その時はもちろん、自分に一瞬焦りの気持ちも芽生えましたが、自分もがんばってきたことを認めたかったからこそ、嫉妬に変わる前に声に出して「よく頑張ったね~!本当におめでとう!」と喜びを伝えました。そこからはお互いに泣きながらのハグをしたのを覚えています。

 


今は見失っているだけ。幸せはあなたの隣にいます


認めたくない、悔しい。そうした思いはやすやすと口にできないからこそ、心の中に澱のように蓄積し、妬みや嫉妬に変わっていくものです。だからこそ逆に、思っていることを工夫して口に出してしまっても時にはいいのです。「伝えてくれてありがとう! そして、おめでとう! 正直、私は授かれなくて辛い気持ちもある。だけど、あなたも同じような気持ちになっていたことが分かるからこそ、本当に嬉しいよ!」と。そしてもう一つ。はなさんが「優しくていい子」と感じるB君が息子さんと仲良くしているのは、他でもない息子さんに魅力があるからこそです。そこに気づいてください。“人生はないものねだりよりあるもの磨き”、それが、楽に生きる幸せへの近道です。

そうして心の澱を手放していって、Aさんとの和を紡ぐことに集中した方が、結果的にはなさんも幸せになれると思います。誰かが幸せになることで自分が損することはありません。人が幸せになっても自分の幸せは減らないのです。幸せを喜べる人間になった方が、自分の幸せは広がるのです。それが心の豊かさです。幸せは気づくものです。なぜなら、幸せは常にそばにあるものだから。それに気づけた人から、幸せになっていく。

はなさんは今、ちょっとだけその幸せを「比較」という枠に捉われ、見失っているのです。あなたは絶対に幸せです。だから、どうか顔を上げて、すぐ隣にある幸せを見つけてあげてください。

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取材・文/金澤英恵


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