昨年末に『ブスのマーケティング戦略』というインパクト大のタイトルで初書籍を刊行した税理士の田村麻美さん。「ブスだからといって何かを諦めるのは違う!」という信念のもと、目標実現のための行動戦略を構築。「幸せな結婚」と「経済的自立」という二つの目標を見事達成し、現在も次なる目標の実現に向け着実にステップアップを重ねています。第一回のインタビューでは、その、夢を夢物語で終わらせないためのマーケティング戦略論を詳しく伺いました。第二回では、「子供がいるから」「働いた経験が少ないから」、「仕事が忙しいから」など何かを言い訳にして行動できずにいる人に向け、さらに具体的な行動提案をしてくれました。

田村麻美 1984年生まれ。埼玉県出身。立教大学卒業。同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。また早稲田大学ビジネススクールに在籍中。ブログ「足立区の女性税理士 田村麻美.com」が「税理士なのに面白い」と話題になり、昨年12月に初の書籍『ブスのマーケティング戦略』(文響社)を出版。夫、娘の3人家族。



失敗が怖くて行動しない言い訳を作ってしまう


現在、税理士として働きながら、大学院で『日本における外見要素が所得に与える影響の分析』という研究テーマに取り組んでいる田村麻美さん。その研究から、本のタイトルにも用いられている“ブス”という単語を、「見た目を武器にできない人」と定義。そのうえで客観的に分析し、「自分はブスの定義に入る」としています。
そんな田村さんが子供の頃から叶えたいと思っていた目標は2つ。それは「幸せな結婚をすること」と「経済的自立をすること」。一方で、「自分は見た目で勝負できる人ではない」と気づいていたこともあって、早くから「目標実現のための行動戦略」を構築。見事2つの目標を達成しました。前回のインタビューではその行動戦略を詳しく紹介しましたが、あらためて簡単にまとめてみました。

① 自分の棚卸し
年齢、出身地、学歴、人柄、容姿など、自分を商品と考え、自分の持っているものを徹底的に書き出してみる。これによって自分の目標実現のために足りないものが見えてくる。

② 武器を増やす
足りないものを埋めるための武器を身につける。オススメは資格を取ること。

③ 相手の求めるものを見極める
これをおこなえば、どういった場所ややり方なら自分が受け入れられるか、ということが見えてくる。結果、目標の実現スピードが一気に早くなる。

「この3つさえしっかりとおこなえば、大抵の目標はまず実現できます。でも多くの人は、それぞれの言い訳を作って行動できていないんじゃないでしょうか。日本人には『私なんて……』という謙遜の美学があることも関係していると思いますが、その本音はプライドが邪魔して失敗するのが怖いからだと思うんです。しかも昨今はSNSという自分発信ツールがあるため、目標が叶わなくても適度に承認欲求が満たされ行動しない、という循環に陥りがち。その点私は、失敗で何かを失うより、行動しないことで得たいものを得られない恐怖心のほうが強かったんです。だから大学時代も、フラれることを恐れずすぐに告白していました(笑)。おかげで失敗を含めた経験値が増え、著書でも紹介した行動戦略を生み出すことができたんです」

 



とりあえず貯金と勉強に励もう


とはいえ誰もが田村さんのように目標がクリアになっているわけではありません。そんな人は、どのように行動を開始すればいいのでしょう? 自分の棚卸しをしたとしても、目標が漠然としていては、自分に何が足りないのかも見えてはこない気が……。

「具体的にこれがしたいというものはないけれど仕事や趣味で何らか自己実現をしたい、と考えている女性は多いと思うんです。そんなふうに目標がクリアになっていない人は、単純にお金を貯めるのもいいと思います。ある程度貯金があれば、何かを始めたいと思ったときにすぐに始められる、という心の支えが得られます。それだけでも『自分には何もない……』といったような殺伐とした気持ちが薄れると思うんです。何より、いざ始めるときに『お金がないから』と妥協することが減り、圧倒的に有利なスタートを切れますから」

そしてもう一つ、田村さんが強くオススメするのが「勉強」です。

「勉強は裏切りませんから! というのも勉強によって得られる学歴や資格、順位といったものは客観的な指標となるので、社会も評価がしやすいんです。だからアナタが社会に出ていったときに、必ず有利に働くはず。私の場合は、そう考えて税理士の勉強をしたんです。決して税理士になりたい!と思っていたわけではなかったのですが……」

 
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