Q.パートナーとのセックスの温度差を埋めるコツがありますか?

A.したい気持ちがお互いにあるなら、セックスする日をスケジュール化してみては? なにより心地よいセックスは平等な関係性の上にしか成り立ちませんよ。

 

夫婦間でセックスに対しての温度差がある場合は問題が多いですね。双方ともに今後もセックスは続けていきたいと考えている場合、オススメしているのが「この日(曜日)はデートする特別な日」とスケジュールを先に設けてしまうことです。

中高年になると、若い頃のように欲望のままにいつでもセックスできる訳ではありません。さらに多忙で疲労も蓄積していると、自律神経のスイッチングも上手くいきません。いつ誘われるかわからない状態よりも、この日はセックスする日と前もって決めてしまうほうが余計なストレスがかからなかったりするのです。

 

たとえば「多少夜更かしできる金曜日の夜にする」または「金曜は早く寝て土曜日の朝にする」などと決めてみましょう。それが定期的な楽しみになれば、「3日前から準備しないと!」とコンディションを整えて挑むこともできます。

みなさんのお話を聞いていると、つくづくセックスは夫婦のあり方と直結していると感じます。お互いがセックスについて気軽に要望を話せるような関係性がないと心地よいセックスはできません。突飛な意見に聞こえるかもしれませんが、夫婦のどちらか一方がセックスをとても大切に考えていて、もう片方はしたくないという場合は、パートナーチェンジするのもいいと私は考えています。生殖の時は、離れた性格や離れた体調の者同士が惹かれ合うのは、遺伝子の多様性を維持するため当然のこと。しかし、生殖年齢が終わると「私、なんでこの人と結婚したんだろう」と思う人は一定数いらっしゃいます。その場合、相手ともしもセックスに対する考えにギャップがあると気が付いたら、無理に一緒にいる必要はありません。自分では解決できない問題は最大のストレスになり、我慢して過ごすことは心身を侵食します。

経済的な問題で離婚は難しいという方もいらっしゃいますが、40代、50代からのリスキリングで自立を目指すのもありでしょう。今の時代、平等なカップルじゃなければ楽しいセックスはできません。

 

関口 由紀(Yuki Sekiguchi) 
女性医療クリニック・LUNAグループ」理事長。人生100歳時代の日本の中高年女性の生涯にわたるヘルスケアを実践する第一人者。女性医療のスペシャリストであり、女性泌尿器科分野の専門医として、特にミドルエイジ以降の女性のフェムゾーンの悩み、セックスの悩みに寄り添う。2022年5月には、女性の性や身体に関するオンラインプラットフォーム「Femzonelab フェムゾーンラボ」をスタート。著書に『セックスにさよならは言わないで:悩みをなくす膣ケアの手引』(径書房)『性ホルモンで乗り越える男と女の更年期 知っておきたい驚異のテストステロンパワー』(産業編集センター)など。


取材・文/熊本美加
構成/宮島麻衣
イラスト/shutterstock

 

 

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