高齢者にとって「必要なもの」


私の父は会社を経営しているのですが、父が亡くなった後の会社のことも考えていかなくてはいけません。
最近は、父とその会社について話をすることが多いのですが、不思議と仕事の話題になると、まるで現役時代のときのようなしっかりした口調に変わり、シャキッとするのです。
父はもともと“仕事人間”で、私が子供の頃は日曜日も仕事で家にいたことがないほど。父にとっては仕事が趣味であり、生きがいなのです。

そんな姿を見ると、やはりいくつになっても、「生きがい」「好きなもの」は大切なのだと感じます。
高齢者になって、たとえ生活が整っていても、それがその人の「生きる理由」にはならないのですよね。

 

月日と共に、親子の関係は変わる


父親と娘の関係は、月日と共に変わってきます。父が元気だったころは、「娘を守りたい」という気持ちを強く持っているタイプでしたが、今では、私のほうが父を守る立場になってきました。
そんな状況を父は少しずつ、受け入れていっています。

「老いること」は、精神面でも肉体面でも大変なことです。自分の体が思い通りに動かないジレンマ、体の痛みとの戦い、いずれ訪れる死の恐怖などを抱えながら、日々を過ごすことになりますしね。
とにかく何があっても、「自分には守ってくれる存在がいるんだ」と父に安心感をもってもらうことが、日々を穏やかに過ごすために大切なことなのだと考えています。

先ほど、「私が娘だから、父は我慢をして小言を聞いてくれている」とは言いましたが、もちろんそれだけでなく、「自分のためにやってくれている」という愛情が伝わっているから、というのはあるかもしれません。
いい加減に介護をすると、必ず伝わると感じています。それが不和につながるところも。だから相手の立場に立って、「なにが幸せなのか」を考える必要があるのです。

結局、介護で大事なのは、「信頼関係」なのですよね。

 

なんだかんだ言っても、私自身、“父の一番の味方”でいることは心がけてはいます。これからも父の尊厳を守りながら、「どんな介護をするのがいいのか」を模索していこうと思います。

【漫画】高齢の父が「恐れていたこと」
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