スタイリングディレクター大草直子著『飽きる勇気〜好きな2割にフォーカスする生き方』より、「変化を恐れず自分軸で生きるアイデア」を一日ひとつずつご紹介します。

 

ありがたいことに、年々仕事の数は多くなり、ステイホーム期間が過ぎたあとも、以前よりご依頼頂く案件は増えています。加えて、子供たちのことでも、やることはたくさん。心配事や悩みの尽きない日々を送ってはいますが、私自身、ガタンと落ち込むようなことは……、あまりない、かもしれません。
とはいえ、年齢的にもホルモンバランスが崩れやすいお年頃。
気圧の低い日や睡眠不足が続くと、大きくメンタルダウンしそうになることも。そんなときには、自分なりの処方箋でケアします。  

 

ひとつめは、ゆっくりお風呂に入ります。
ネガティブな考えや「気」を浄化するような感覚です。
それでもどうしようもなく疲れてしまったときは、プライベートな予定は、キャンセルさせてもらうこともあります。食事会など、気乗りしないなかで行っても、相手にも失礼ですし、きっと楽しめないから。  

ふたつめは、徹底的に怠惰になる!
もちろん、ご飯は作らず、家族には近所の和食屋に行ってもらうか、テイクアウト。ステイホーム期間を経て、テイクアウトできる飲食店が近所に増えたのはとってもありがたい! 子供たちにとっては、ちょっとしたイベント事のようで、それも楽しいようです。 私自身は、気が向けば一緒に行くし、気が乗らなければ部屋でゴロゴロしています。もちろん、顔も洗わないし、朝起きてからずーっとパジャマのまま、下着をつけないことだってほとんど(笑)。
家にいれば、常に誰かの話を聞く役目の私ですが、このときだけは、子供たちにも、「ママはとっても疲れているから、用事があるなら来て」とお願いして、ベッドの上で本を読んだり、ゴロゴロしたり。
罪悪感なんて持つ必要は絶対にないのです。なぜなら、「こんなに疲れているのにご飯を作らなければいけない。何で私ばかり」と、被害者にはなりたくないから。
とことん、レイジーになること=自分を甘やかすことを許してあげることが大事だし、家族には、自分の気持ちや状態を「宣言」することも、時には必要。そうやって助け合い、ケアできるといいですよね。  

また、日々のエクササイズも、大きくメンタルダウンしないために役立っているような気がします。
特に、疲れていたり、落ち込んでしまったり、心配事があるときなんかは、ホットヨガで積極的に体を動かします。なかでも、意識しているのが、肩甲骨まわり。肩甲骨の可動域が広がると、深く呼吸ができ、深い思考が手に入る。そして心の可動域も広がるのです。 ちなみに、私は、エクササイズはサイズダウンしたいとか、痩せたいという目的を達成する手段としてはあまり捉えていません。
ありがたいことに、子供の頃から太りにくい体質というのもありますが、年齢とともに体の肉付きが変わったり、ボディラインが変化するのは当然のこと。だから、洋服だって9号に固執したりしません。実際に40代になってからは、パンツは9号から11号にサイズアップすることも。  

アンチエイジング=年齢に抗うのではなく、ビューティフルエイジングを目指したい――。
日本は、まだまだ「若さがすべて!」みたいな傾向が強いような気もしますが、年齢も経験も積んだマダムこそ、憧れの存在です。最近では、70歳を超えた美しい女優さんの写真集も出版されるほど!
だから、私が設定する美しさのピークは、70歳。
そのためにいまは、自分自身が心地よくあることを優先して、肌や体と向き合っています。シミやシワだって、これまで私が生きてきた証。「あれ?」と思うことはあるけれど、愛おしい存在です(笑)。自分の手で自分の肌に触れることは最強のヒーリング。さらに言うと、自分を信じること(自信)を連れてきてくれるのです。  

頂いた仕事には、100%以上の力で返したいから、毎日、少しずつ自分を労ってあげることは、とても大事だと感じます。そういう意味で役立っているのが、美容やエクササイズ。隣の人の肌やスタイルと比べることなく、自分を愛して、労るために、美容やエクササイズとは付き合っていきたいな、と思います。
 


出典:大草直子著『飽きる勇気〜好きな2割にフォーカスする生き方』(講談社刊)
取材・文/畑中美香


覚えておきたい!
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