こんにちは、エディターの昼田です。今日も断捨離体験記の続きを。
断捨離中に、服を手放せば手放すほど、自分が押し込んでいたさまざまな感情が表に出てきました。
そのひとつが「おしゃれをしたくないという気持ち」でした。
当時は産後だったのでおしゃれする余裕がなかったこともあります。外出するにしても、深く考えずあるものを着ていくわけです。最低限のきちんと感はあっても、華やかでもないし、バランスもイマイチだったりします。お世辞にも「素敵」とは言い難い格好。でもおしゃれから解放されることがものすごく心地よかったんです。
どうしよう……。
「脱おしゃれ」が心地いいなんて、ファッションエディターとしてどうなんだろう。でももう無理して、毎日気張った格好もしたくない。
葛藤だらけですよ。
そんなときにこの本に出会って、背中をバーンと押してもらいました。
料理家・土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』。
これは服においても一緒じゃないかと思ったんです。
私たちは365日おしゃれである必要があるんだろうか。いつから「毎日がハレの日」になってしまったんだろうか。SNSを見てはおしゃれしなきゃ、新しいものを買わなきゃと焦らされる。どんどんハードルが上がり、平日も週末も公園ですらも常に高得点を目指そうとする。
土井先生の提案を私なりに解釈するなら、日常の多くは「普段着」でいいはず。最低限の清潔感やきちんと感をキープできたらもう100点じゃないか。おしゃれしたくない日があってもいい。もっと力を抜いていいのだと、思ったんです。
ということで断捨離後の私。一週間の大半はおしゃれしない「ケ」が基本というスタイルに変わりました。そう、「毎日おしゃれな人」じゃなくて「ときどきおしゃれな人」になろうと決意したのです。
コーディネートの一例をお見せしますね。
「ケ」は「普段着」で、脱おしゃれの日。汚れてもいい服を着て、徹底的に脱力する日。まるで黒子みたいで、華やかさが足りないのは自分でも承知済みですがこれでいいのです。子どもと公園に行く時はもちろん、仕事でも緩みたい日に。
「ハレ」は「晴れ着」ですから、一張羅を着るつもりで気合を入れる日。公園には着ていけないような服を着て、おしゃれしている感を味わう日です。
こちらは別パターン。ボトムスは同じです。ハレの方が華やかだし、おしゃれしている感があると思います。
いつもみなさんにお見せしているのは、「ハレ」の格好の方です。こんな気張った格好をしているのは週に2日くらいってことです(笑)。
「思いっきりゆるんで、思いっきりおしゃれする」。
どっちもあって、ちょうどいいのです。振り幅はあるけれど、いつだって私の基本は「ケ」。しんどいときは、いつでも「ケ」に逃げる。「おしゃれしたくない自分」を絶対責めないこと。何より大事!
次回に続きます!
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撮影・スタイリング・文/昼田祥子
構成/出原杏子
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