こんにちは、エディターの昼田です。

ベスト/フランキーショップ パンツ/リラクス サンダル/ユニクロ

3つ年上の姉は、外見からキャラクターまで何もかもが正反対。身長は私より20cm以上低く、並んでいて姉妹に見られることはほとんどなくて。学生時代、私が勉強もしないでファッション誌を読み漁っていたころ、姉はずっと化学の問題を解いているような人でした。感覚派で空気読める系の私に対して、理論派の姉。身内だろうが他人だろうが、空気を読まず物事の本質をズバッと言い切る姿は、まるで鋭いナイフそのもの。小柄で体力のない姉に神様が与えた武器は、強烈でした。

 

人生に行き詰まると、姉に相談。
洋服の話をしたことは一度もないけれど、姉がこの姉であってよかったと思う瞬間がこれまでに幾度となくありました。

 

そんな何もかもが違う私たちの唯一の共通項は、少ないモノで暮らしたい「ミニマリスト」であること。どちらに影響されたわけではなく、気がつくとそうなっていました。いや、遺伝子に組み込まれていたのかもしれない。

 

私たちは「片付けられない母親」から生まれた「片付けたい娘たち」だったのです。

先日、姉から送られてきた本のタイトルを見て背筋が凍りました。

ときどき読み終えた本を送ってくるのには「これは読んでおきなさい」という無言のメッセージが込められているのだろうけれど、姉が今何を考えているかを一瞬にして悟りました。

いつまで元気でいるか分からない両親と、私たちに襲いかかってくる「実家じまい」の問題。離れて暮らす姉妹にとって、それは容易なことではありません。しかも片付けられない母親のせいで、モノが多すぎる家。”近い将来”ではなく、Xデーは明日かもしれないという姉の危機感が伝わってゾッとしました。

 

母は何かにつけて「もったいない」と口にする人で、モノを捨てることが苦手な人。賞味期限の切れた食材ですら捨てられず、服においてはクローゼットに収めるという発想がなく、新しいハンガーラックが買い足されていくばかり。

家が荒れないようにせっせと片付けるのは、きれい好きの父と私たち姉妹。主に母が仕事でいない隙に決行されました。ただ「なんで捨てたのよ!」なんて母に逆ギレされることもよくあって、これはマズイと子供ながらに考えたのが手紙を残すこと。
“毎日頑張っているお母さんの代わりに掃除しておいたよ! いつもありがとう!”なんてメッセージを見たら、怒るに怒れないだろうという作戦でした。

できるだけ気づかれないように、ちょっとずつ片付ける私たち。モノを捨てるにも細心の注意が必要でした。


そして時は流れ、今。できるだけ少ないモノで暮らしたい私を妨害するのは、娘!  空箱や段ボールはなんでもとっておくし、絵や工作もどんどん増えていきます。

 

「ママのために作ったよ」「ママを書いたんだよ」なんて言われたら、捨てるのに躊躇してしまいます。

娘がいないときを見計らって、こっそりと少しずつ捨てる私。ゴミ袋から透けて見えてしまえば「なんで捨てたのよ!!」とキレられてしまうから、何かに包んだり、底に入れてみたり……。捨てるのも本当にひと苦労。


あぁ、あの頃の私と変わらないじゃないか(笑)。

断捨離の敵は、家族。
次回に続きます。
 

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撮影・スタイリング・文/昼田祥子
構成/出原杏子
 

 

 

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