スタイリングディレクター大草直子著『飽きる勇気〜好きな2割にフォーカスする生き方』より、「変化を恐れず自分軸で生きるアイデア」を一日ひとつずつご紹介します。

 

可動域を広げたい――、私が日ごろから思っていることです。
可動域。辞書で調べてみたら、「動かすことのできる範囲」。

「アマーク」は、皆さんの心と体の可動域を広げるお手伝いを、と思い立ち上げました。
そして、可動域が広がったあとに続く「新しい自分になりたい」「新しい服が欲しい」「こんなメイクで街を歩いてみたい」――という新たなアクションまで、責任を持ってお手伝いできる場所でありたいな、と思っています。

ここまでお話ししてきた、好きな洋服を着て、自分軸で考えるクセをつけていくことは、心の可動域を増やすひとつの手段。
鏡に映った素敵な自分を見れば、何だか出かけたくなりますよね。
仕事仲間のなかには、「彼募集中」のときには、積極的にピンクのファッションを取り入れる人がいます。好きなピンク色のスカートをはくだけで、何だか楽しい気持ちになれて、歩き方や仕草だって変わっていく――心の可動域が広がれば、それは「ちょっとあの人、誘ってみようかな」なんて、行動にも表れてくるはず。十分に恋愛への可動域を広げていることになると思うのです。

体だって、もちろんそう。
私がヨガをしたり、エクササイズをするのは、痩せたいとかそういうことよりも、体の可動域を広げることで、思考や情緒を安定させるためだったりします。もちろん、食べたいものを美味しく食べ、大好きなビールや白ワインを心置きなく楽しむためだったり、それをリセットするためでもあるのですが……。

可動域を広げるために大切にしているのが、「どんなこともやってみないと、わからない」という気持ちです。
中南米に遊学してしまうほどに、大好きになったサルサも、きっかけは、友達に誘われたから。
現在の夫と付き合うことになったのも、友人に誘ってもらった旅行で再会したのがきっかけ。
いまだって、美容もお酒もエクササイズも、いいと教えてもらえば、とりあえずやってみます。楽しいなとか、心地いいなと思ったら続ければいいのだし、そうでなければ、やめちゃえばいいだけのこと!
このフットワークの軽さは、胸を張って人に誇れる特技かもしれません。
そして、体験してみてよかったらみなさんにシェアしたい! そんなふうに思っています。

先日も、ヘアメイクさんが大絶賛していた整体に、長女と行ってきたばかり。 私自身は、特別調子が悪いというわけでもなく、いつもの肩こりがある程度だったので、「そんなに実感できるかな?」と思っていましたが、行ってみたら……、大正解でした!
体の詰まりばかりか、自分では気づいていなかった気持ちの詰まりみたいなものも解消できて、心身が開通して、マインドリセットしたような爽快感。
以来、やりたいことのアイディアも湧き出てくるし、なかなかスケジュールが合わずにお会いできなかった、マディソンブルーの中山まりこさんとも偶然タイミングが合い、久しぶりにワインをご一緒することができました。体を整えただけで、いろんなことがスムーズに運び、まさに「心と体はつながっている」を実感できる体験でした。

可動域を広げることと、フットワークの軽さや身軽さは、ニアリーイコール=ほとんど一緒です。
なかなか一歩が踏み出せなかったり、何かを変えたいとモヤモヤしているときは、体も心も可動域が狭まっているのかもしれません。まずは、あれこれ考えず、アクションを起こしてみませんか? もっともっとラクになっていくと思います。


出典:大草直子著『飽きる勇気〜好きな2割にフォーカスする生き方』(講談社刊)
取材・文/畑中美香


覚えておきたい!
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