スタイリングディレクター大草直子著『飽きる勇気〜好きな2割にフォーカスする生き方』より、「変化を恐れず自分軸で生きるアイデア」を一日ひとつずつご紹介します。

 

夫と再婚すると決めるまでの恋愛期間、長女と彼が会うということは一切ありませんでした。
というのも、彼と恋愛するのは私自身。
その先に、再婚という選択肢があるのかないのかは、まだ未知数です。自分自身でさえ、彼との未来を決められていないなかで、まだ3歳の幼い子供を彼に会わせることはしたくなかったのです。
ましてや、「子供と彼がうまくいきそうだから結婚する」なんて考えるのは、あまりに身勝手です。私自身がきちんと彼と向き合い、「再婚する」と決めてから二人を会わせました。

 

自分のなかで I do と決めてからです。
「再婚しようかな」の I will のタイミングでは絶対にダメ! と考えていました。
「子供のために仕事をセーブした」
「子供のために食事会に行かない」
――「子供のために」というこのフレーズ、一見すると親心に満ちた言葉のようですが、実は危険な言葉だと思っています。
なぜなら、「子供のために」という考えは、いつの間にか「子供のせいで」、というフレーズにすり替わってしまいやすいものだから。
しかも、このフレーズ、for子供に限ったことではありません。
「親のために結婚するor結婚したい」
「夫(彼)のために仕事を辞める」
特に、進学やキャリアメイク、結婚や離婚などのとき、このフレーズは顔を出しやすいような気がします。それも自分のなかにまだ迷いがあるときに! でも、これは「決める理由」を家族や他人に譲っていることに他ならないし、何かトラブルに陥ったときには、必ず「親のせいで」「夫のせいで」になってしまうはず。
そして、それは自分を苦しめることにもなりかねません。もちろん、仕事や家族の危機などの場面では、必要なことだと思いますが、なんと、日々、多用しやすいフレーズだろう! ――そんなふうに感じます。

私が日ごろから、子供に「選択させる」のも同じ理由です。「ママが言ったから」で自分の将来を決めてほしくはないし、結果は伴わずとも、自分の選択に自信と責任を持てるようになってほしいから。
キャリアを積んでいくことも、仕事を一時的に休むことも自分次第。もちろん、結婚するのも、離婚するのも自分が決めることです。決めるのに理由はいりません。「私がどうしたいか」――それを自分に問いかけ続けるだけ。はじめは難しいかもしれませんが、自分を好きになるのと同じで、訓練すればいいだけのこと。すると、他人に選択権を預ける苦しさから解放され、家族との向き合い方もラクになると思います。


出典:大草直子著『飽きる勇気〜好きな2割にフォーカスする生き方』(講談社刊)
取材・文/畑中美香


覚えておきたい!
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