自粛中の心を軽くする「大人のための絵本6選」【モデルはまじが厳選】 | 浜島直子の今はまじ！ | mi-mollet（ミモレ）

同じ絵本が本棚に並ぶ、絵本作家「阿部はまじ」の原点

夫婦ユニット「阿部はまじ」として絵本作家の活動もするはまじ。4月には４作目となる新刊『ねぶしろとおいしいまる』が出版されたばかり。夫婦で絵本を創ろうと思ったきっかけは、新婚生活を始めたころまでさかのぼります。

はまじ「新居に私と夫の荷物を運んだときに、お互いたくさん絵本を持っていたんですが、同じ絵本が何冊もありました。その時に、いつか絵本を一緒に作りたいねと話したのが始まりです」

絵本作家「阿部はまじ」の原点ともいうべき、二人が持っていた３冊を紹介してもらいました。

『100万回生きたねこ』　作・絵／佐野洋子

100万回生きたねこは、これまで一度も泣いたことがありませんでした。どの飼い主も嫌いだったし、自分が死ぬことも平気。しかし本当の愛を知ったとき、彼は生まれて初めて涙を流します。大人の心にも響く、ロングセラーの名作絵本。

絵本『100万回生きたねこ』がこんなに長く人気のワケ

『おおきな木』
作／シェル・シルヴァスタイン　訳／村上春樹

大きな木が大好きな男の子と、男の子が大好きな大きな木。木陰で休んだり木に登ったり、かくれんぼをしながら毎日のように一緒に過ごしていましたが、男の子が成長すると、その関係にも変化が訪れます。幸せや楽しさだけではなく切なさや辛さ、怒りなど、読み終わるまでにさまざまな感情が押し寄せる一冊。38カ国で翻訳され、日本では村上春樹さんが訳を手掛ける、世界的ベストセラーの絵本です。

『アンジュール　ある犬の物語』
作／ガブリエル・バンサン

飼い主に捨てられ、野良犬になってしまった犬の物語。捨てられてしまった悲しみ、飼い主を探し続けるひたむきさ、そして切なさ。言葉もなく、鉛筆のデッサンのみで描かれた世界は、まるでサイレント映画を見ているかのような一冊です。

はまじ「この３冊は子供のころから、そして大人になった今でも夫婦で大切にしている絵本です。インテリアとして飾っておくだけでもいいのですが、私は時々読み返しています。その時の自分の感情によって、響くページや物語の捉え方が変わるんです。時には自分でさえ気がつかなかった心理を紐解いてくれることも。私にとって何度でも読み返したくなる、占いのような絵本です。子供のころから、そしてこれからの毎日にも大切なものが詰まっている気がします」

いつもとは違う毎日を頑張っているからこそ、心の栄養も必要。はまじが選んでくれた絵本には、心が丸くなるような、優しい世界が詰まっています。次回は、夫婦ユニット「阿部はまじ」の誕生から、最新作「ねぶしろとおいしいまる」ができるまでを伺います。

写真・取材・文／笹本絵里
構成／幸山梨奈