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セックスの価値観をリセット③「自分の性欲と向き合うことの意義は?」

自分の気持ちよさを把握して
「快感のトリセツ」を持とう


−−− 性教育もそうですが、結局、私たちは、性について誰からも教わることなく、性と向き合うきっかけがないまま大人になってしまったところがあります。なかでもセックスについては、“生殖”という大義名分から離れつつあり、若い頃のように発情したり、つき合いたての男女のような瑞々しい欲望を持つのも難しい現状があるわけですが…。アラフォーを過ぎて自分の性欲と向き合う意義は、どこにあると思われますか?

森林:ある程度、自分を持っている大人の女性にとって、性欲と向き合うことは、自身を確立することに繋がっていくのではないでしょうか。セックスも、きちんと向き合って卒業していくならそれでいいと思いますが、これまでうやむやにしてきて満足できないままだとしたら、たぶん悔いが残ります。「もっと別の何かがあったんじゃないか?」と考えるようになり、そして、そういう女性たちが「どうやったらイケますか?」と聞いてくるのです。

−−− セックスでオーガズムを得られる女性は、実は3割程度とも言われていますよね。アラフォー以降の女性でも、そういったご相談は多いですか?

森林:肉体的な快感の得方についてのお悩みは、多いですね。そういう方は大概、オーガズムを得られている女性のことを「ラッキーでいいなぁ」と羨ましく思うようです。でも、その見方は間違っていますよ。気持ちよくなれる女性たちは、それを偶然得たわけではなく、快感を主体的に掴みに行っている、もしくは解放の仕方を知っているのです。

男性主導のセックスを続けていたら、快感はいつまで経っても男性から与えられるものでしょう。そう思われている男性は一生懸命テクニックを磨こうとしますが、そのテクニックはあくまで“万人に評判のいいもの”であり、あなたに当てはまるとは限りません。100人いれば100通りの気持ちよさがあるのですから、本来であれば、スタート地点は“女性が自分自身の快感のツボを知っていること”であるはずなのです。男性側にとっても、何の前情報もなく「好きにしていいから、気持ちよくしてください」というのは、結構なムチャぶりなんです。言語化できなくても身振り手振りでわかるレベルでいいから、女性のみなさんも最低限の「快感のトリセツ」は用意して欲しいんですよ。

−−− ムチャぶり…、確かにそうですね(笑)。

森林:「旦那や彼氏にどう言えば上手になってもらえますか?」という質問には、「そうではなく、あなた自身の快感を探ることがスタートです」とお答えします。具体的には、まず自分の性器を知り、快感のツボを把握すること。よく「男性に指を入れられて痛かった」と言う話がありますが、最初から「痛くしよう」として触る男性なんて、ひとりもいませんから。自分ではどうしたって実感できないので、女性から教えて欲しいのです。

−−− 自分の性欲を知り、快感を知り、きちんと相手に伝える。どれも充分にできていた気がしません。この年齢にして、こんなにも自分の性の問題点に気づかされるとは…。

森林:ただ、僕が思うに、性について悩むことは、自分と向き合い、本当の意味で他者を認められるターニングポイントに立てるということです。悩み始めることは新しい扉を開けることでもあり、いわば進化への第一歩! そして大事なのは、既存のかたちに当てはめていくだけでは、自分の幸せは得られないということです。これまでは、親や社会や旦那さんやお子さんと、ずっと向き合ってきたかもしれませんが、そろそろ自分という“個”と対峙することを優先してみてもいいのではないでしょうか? 性とセックスは、“人生の主人公を自分に取り戻す”ひとつの手段になります。悩みが生まれたということは、それはきっと、大きなチャンスなのだと思いますよ。

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森林 原人

1979年横浜生まれ。地元では神童と呼ばれ、中学受験で麻布、栄光、筑駒、ラ・サールのすべてに合格し、筑駒に入学。そこで本物の天才たちを目の当たりにし、人生初の挫折を味わう。その後はすべての情熱をエロに傾けるようになり、大学1年の時にAV男優のキャリアをスタート。現在まで業界に数少ないトップ男優としてひた走る。男優歴19年。近年では、オンラインサロン「森林公園」やウェブサイト「リビドーリブ」や講演会などを通じて、性やセックスがもたらす幸福論を発信。今年全国9都市で開催した講演会ツアーも大盛況を博した。著書に『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』(講談社文庫)、『イケるSEX』(扶桑社)、『8000人を抱いたエリート校出身AV男優・森林原人のケーススタディで学ぶ 「人生最高のセックス」でもっと気持ちよくなる』がある。


撮影/浜村達也
取材・文/村上治子
構成/片岡千晶(編集部)



 

 

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