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日本初!セクシュアルアイテムブランドが百貨店にオープンした理由と反響

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3月半ば、東京・有楽町の阪急メンズ東京に、セクシュアルアイテムブランドTENGAによる常設店が誕生! ニュースで話題になったのを覚えている方も多いのではないでしょうか? 早くも1ヶ月が過ぎ、幅広い年代の男性客はもちろん、女性客をも魅きつけているという噂が…。あらためて、出店のいきさつと現在の反響について伺いました。


セクシュアルブランドは
いまや時代を映す存在に

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“TOKYO”をキーワードとした阪急メンズ東京の6階に誕生した「TENGA STORE TOKYO」は、ファッションフロアに並んでも遜色のないおしゃれな店内。最近では、外国人のお客様も増えつつあるとか。

大規模なリニューアルオープンを果たした阪急メンズ東京の新テーマは「クリエイティブコンシャスな男たちに向けた冒険基地」。なかでもTENGAのショップが置かれた6階は、裏原宿界隈に漂う音楽やアートといったムーブメントをベースに、従来とは異なる発想からブランドをセレクト。フロア担当者によれば「よりリアルなストリートカルチャーを再現したいと考えた時、見て見ぬフリをしてきたセクシュアルな存在にも焦点を当ててみたいと思った」のだそうです。

一方、TENGAは2005年の創業以来、一貫して「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」とのビジョンを掲げてきました。百貨店はまさに老若男女にひらかれた“表通り”の売り場。TENGAはひとつの目標を達成し、これまで商品が売られている場所に足を運んだことがなかった方々にも数多く来店して頂いているそう。お客様の年齢層は10〜80代と幅広く、ニュース番組や新聞で取り上げられていたこともあり、約半数は40代以上だとか。「80代の男性が新聞の切り抜きを持っていらしたこともあった」とのエピソードを伺うと、性への関心は決して若い人たちだけのものではなく、何歳になっても素直に向き合える手段があることの大切さをあらためて感じさせられます。

 



女性も気後れしないおしゃれな店内は
カップルで訪れてみても

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Tシャツなどのアパレル雑貨は、ここでしか買えないショップ限定品。オープン時には、なんと20種類のオリジナルデザインがリリースされたそう。

お客様のなかにはカップルや男女のグループも多く、男女比は7:3くらいと意外なほど女性客の姿も。男性向けの売れ筋商品は、定番のディープスロートカップやプレミアムテンガですが、カップルには、ふたりで楽しめるセックストイのSVRやSVR+も人気だそう。はじめはやや緊張の面持ちでショップに足を踏み入れるカップルも、スタッフに声を掛けられると商品説明に耳を傾け、楽しそうにお買い物されていくそうです。

ファッションフロアの一角に位置するショップは、ブルックリンの街並みをイメージしたインテリアが女性でも入りやすい雰囲気。また同じフロアには、メンズ&レディスが揃うカナダグースや、ジェンダーレスなアンダーカバー、ネイバーフッド、MSGMカレッジといった旬のブランドが揃います。ショッピングに疲れた時は、香港発のタピオカティー専門店でひと休みを。「TENGA STORE TOKYO」が誕生した阪急メンズ東京6階は、カップルで立ち寄るのにも楽しめそうなエリアでした。

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同じ6階には、コンドームショップ、コンドマニアの自動販売機も登場。近所のドラッグストアでは見られない豊富な品揃えは、思わず購入してみたくなるかも。


TENGAと言えば、昨年はセックストイのレディスブランドirohaが、大阪・大丸梅田店で2回に渡るポップアップストアを成功させたことも大きな話題に。セクシュアルアイテムブランドが、小売業界の代名詞である百貨店に進出していくことは、性の話題をよりいっそう“普通のこと”として語りやすくする大きなきっかけとなっていくに違いありません。


取材・文/村上治子
構成/片岡千晶(編集部)


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