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産婦人科医とAV男優が考えた「学校ではできない本当に必要な性教育」とは?

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性的同意(=セクシュアル・コンセント)は、「誰かとセックスや性的な行為をする際は、相手の同意が必ず必要である」という考え方ですが、以心伝心が美徳とされる日本では「いちいち言葉で同意を取るなんてムードがない」との意見も少なくありません。

「それについては、ディスカッションの参加者が、ムードのある性的同意を教えてくれました。外国人の彼が自分をやさしく見つめながら『君があまりに素敵だから、僕はセックスしたい。君はどう?』と聞いてくれたそうです。大切にされている感じがあってとても嬉しかったそうですよ。この『私はしたい、あなたはどう?』と言う同意の取り方は、自分の気持ちを率直に伝えることができ、相手にも返事をしやすくしてあげられる望ましい方法。ぜひ、覚えておきたいですね」

 
 

コンドームについても詳しく記述。森林さんいわく「正しい着け方は女性も知っておくべき。なかには、わざといい加減に着ける男もいますから、きちんと自分でチェックできるようになってください。」

 


DVDとガイドブックは
大人の性教育にも役立てて


動画では、「性とは」「デートDV」などいくつかのトピックで、現役高校生の出演も。これもこだわりのひとつで、森林さんがアメリカで性教育を受けた方から「先生よりも同世代に教わった方が響いた」と聞いた話を取り入れてみたのだそう。

 

撮影に協力してくれたのは、学生団体ピアの高校生有志。森林さんは、ぜひ大人も彼らの発言に耳を傾けてみて欲しいと言います。

「性教育を広める活動をしている彼らは、平均的な高校生よりも進んだ考えを持っていると思います。とはいえ、高校生でもこんなに深く考えている子たちがいることを知ったら、子どもの見方が変わるんじゃないでしょうか。

彼らのなかに、バイセクシャルの男子がいたのですが、友人たちは自然に受け入れてくれているそうです。いまどきの子どもたちは、セクシュアリティに対して意外とフラット。案外、偏見を持っているのは大人の方かもしれません。自分たちが常に教える側であるという固定観念は、取り去るべきだと気づかされました」

そして昨今、家庭での性教育に注目が集まるなか、親が何をどんな風に伝えるべきなのかということは、ミモレでもたびたび取り上げてきました。

「家庭で性教育をするということは、多くの家族にとって、まず父親、母親の役割を見せることでもあると思います。たとえば、お母さんがどんなに『ノーと言えるようになろうね』と教えたとしても、お父さんに『嫌です』と言えない関係性があったら何の意味もないですよね。性教育は、結局、自分に跳ね返ってくるもの。だから、大人もこの動画やガイドブックで正しい性の知識をつけて欲しいし、そこで偏見に気づいたら、修正して変わっていきましょう。そして子どもたちには、まっさらなまま受け取ってもらいたい。最終的には、セックスっていいものだなと感じてもらえたら本望ですね」


年間約120回もの性教育講演を行うという産婦人科医の上村先生と、誰よりも性やセックスに向き合い続ける森林さん。そんなおふたりが制作した性教育動画とガイドブックは、子どもはもちろん、大人にとってもとても勉強になる内容でした。森林さんは、今回のプロジェクトの最終目的は、DVDとガイドブックの完成ではないと言います。今後は、この内容を広める講演活動も行っていく予定だそう。ご興味を持たれた方は、ぜひ専用サイトでチェックしてみてはいかがでしょうか。

森林 原人

1979年横浜生まれ。地元では神童と呼ばれ、中学受験で麻布、栄光、筑駒、ラ・サールのすべてに合格し、筑駒に入学。そこで本物の天才たちを目の当たりにし、人生初の挫折を味わう。その後はすべての情熱をエロに傾けるようになり、大学1年の時にAV男優のキャリアをスタート。現在まで業界に数少ないトップ男優としてひた走る。男優歴19年。近年では、オンラインサロン「森林公園」やウェブサイト「リビドーリブ」や講演会などを通じて、性やセックスがもたらす幸福論を発信。今年全国9都市で開催した講演会ツアーも大盛況を博した。著書に『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』(講談社文庫)、『イケるSEX』(扶桑社)、『8000人を抱いたエリート校出身AV男優・森林原人のケーススタディで学ぶ 「人生最高のセックス」でもっと気持ちよくなる』がある。


撮影/浜村達也
取材・文/村上治子
構成/片岡千晶(編集部)

 


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