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日本人のセックスの平均「性交時間は約30分」医師が分析する深刻な男女の溝

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懸念点② セックスの目的にも、明確な男女差


「セックスの目的は?」という質問でも、男女の意識の違いは明らかでした。

<男性>
1位:性的な快楽のため(69.8%)
2位:愛情を表現するため(56.5%)
3位:ふれあい(コミュニケーション)のため(37.1%)


<女性>
1位:愛情を表現するため(56.1%)
2位:ふれあい(コミュニケーション)のため(45.1%)
3位:相手に求められるから(27.8%)

男性はどの年代でも「性的な快楽」が約6〜7割とトップなのに対し、女性は2~3割と少数派。それよりも精神的なつながりを重視している傾向が見えました。
「日本人の男女のセックスに対する意欲と意識の違いは思いのほか深刻です。快楽を満たすための男性のセックスでは女性は愛情を感じられていないはずです。そのむなしさからしたい気持ちが薄れ、セックスレスを加速させているのではないでしょうか。セックスはコミュニケーションであることを男性側が意識すれば、男女の溝も埋まっていく可能性はあります」(北村先生)。

 


懸念点③ 気乗りしないセックスに応じる女性は約7割


「どちらからセックスを求めることが多いですか」という質問に対して、男性では56.9%が「自分から」と回答し、年齢が上がるにつれて多くなっています。その一方で、女性ではわずか4.6%。現在でも、男性がリードし女性は誘いにのるという旧態依然としたスタイルがとられていました。

 

「気乗りしないセックスに応じることがあるか」という質問に女性は68.4%が「ある」と回答しています。女性の20 代、30 代では7 割を超え。女性にとってやはりセックスは受動的なものという意識が見えます。
「セックスは対等な営みであるべきなのに、日本女性はあまりにも受け身過ぎる印象を受けます。たとえば、避妊に関しても未だコンドームと膣外射精。男性任せではなく、自分自身の体を守るため、気持ちいいセックスを追求するためにも、自らアクションを起こしてもいいと思います」(北村先生)。

男女の性欲や意識の違いがセックスレス化を加速させているのかもしれません。

次回はさらに日本人のセックス事情を深堀りし、理由を探っていきます。

北村邦夫

群馬県渋川市に生まれ。自治医科大学を一期生として卒業後、群馬県庁に在籍するかたわら、群馬大学医学部産科婦人科教室で臨床を学ぶ。1988 年(昭和 63 年)から日本家族計画協会クリニック所長。現在一般社団法人日本家族計画協会会長/理事長/家族計画研究センター所長、日本思春期学会名誉会員、日本母性衛生学会常務理事など。著書には「ピル」(集英社新書)、「セックス嫌いな若者たち」(メディアファクトリー新書)。「ティーンズ・ボディーブック(新装改訂版)」(中央公論新社)、「入門百科プラス 女の子、はじめます。」(小学館)、「みんなこうなるの? おとなになるためのベストアンサー 71 の Q&A」(講談社)など多数。現在、毎日新聞で「Dr.北村が語る現代思春期」、朝日新聞アピタルで「あなたを守る性のはなし」連載中

取材・文/熊本美加
構成/片岡千晶(編集部)

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