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【データでみる不倫の実態】善悪を裁くことはできる?婚外性交をする理由

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不倫する妻は30〜40代が最多で約2割


わたしたちが行った調査によると、40代で15%、50代で16%の妻が不倫をしているという結果が出ました。この調査では「配偶者以外の異性との関係」を問いました。そこには「精神的愛情」や「売買春」も含まれていますので「不倫」と若干ずれる部分もありますが、おおよその傾向は十分に示してくれます。2000年に行った同じ調査では、40代で9%、50代で4%ですから、妻たちの婚外セックスがいかに活発化しているかが分かります。

相模ゴム工業が2018年に1万人以上を対象に行ったインターネットによる調査でも20代〜60代の女性の15%に婚外セックスのパートナーがおり、最も多いのが30代で、実に18%の妻が婚外セックスをしています。
家庭内でセックスレスが進み「女性として見られない」寂しさや虚しさを埋める女性の承認欲求が、婚外セックスへ向かわせていると考えられます。
この傾向は夫たちも同じです。2000年と2012年で比べると、40代は13%から38%、50代は14%から32%と、婚外で異性と親密な関係を持っている(「売買春」と「精神的愛情関係」を含む)男性も2倍に増加しています。「男性として扱ってもらえない」「家庭内でリラックスができない」と感じている夫たちが同じ数だけ増えたのかもしれません。

【データでみる不倫の実態】善悪を裁くことはできる?婚外性交をする理由_img0
 

「性は秘め事」という認識から「性欲があるのは人間的に当たり前」という認識が広がっていること、出会い系サイトなどが急増したことで婚外のパートナーを探すことが容易になったことなどが、不倫増加に大きく影響したと思われます。
婚外セックスは一般的には「不倫」といわれており、「人の道にもとる」という意味ですが、このデータを見れば、わたしは婚外パートナーを求める妻や夫たちにこの言葉を当てることが、果たしてふさわしいのか疑問を持ちます。
女性として認められない寂しさや虚しさを抱えた妻たち、男性としての自信を喪失したまま家庭内で心安らげない夫たちへ思いをはせれば、不倫を善悪だけで裁くことで問題が解決するとは思えないのが、正直なところです。

 

金子和子

臨床心理士。日本性科学会理事、同会認定セックス・セラピスト。日本赤十字社医療センターで30年以上セックス・セラピストとして勤務。現在は、日本生科学会カウンセリング室、主婦会館クリニックでカウンセリングを行う。共著として『セックス・セラピー入門』(金原出版)。『こころとからだの性科学』(星話書店)がある。

 

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『中高年のための性生活の知恵』

日本性科学会セクシュアリティ研究会 著 アチーブメント出版 

なぜ自分は拒否されるのか? なぜ求める気持ちになれないのか? 性のスペシャリスト6名が現場で得た知見、そして中高年男女2590人のアンケートからわかった現代日本の性の真実のすべてをまとめた一冊。寂しさとは無縁の第2の新婚期を迎えるために読むべき大人の性教育書。

『中高年の性生活の知恵』の出版記念講演会が7月29日に開催。司会に小島慶子さんを迎え、金子和子先生をはじめとした6名の先生方によるお話が見もの。詳しくはこちらから


構成/國見香、片岡千晶(編集部)


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