こんにちは、エディターの昼田祥子です。

ニット/ユニクロ

姉も巻き込んでの1回目の断捨離前回の記事はこちら。私も姉も定期的に帰省することにし、そのつど宿泊はホテルに。だってゴミをまとめていくスペースを考えると、寝る場所がないんですよ。出費は仕方ないとして、とにかくこんなことは一刻も早く終わらせたい! 期限は長くても2ヵ月。

 

うちの場合は隣にある祖父母の家も含めて2軒分あり、かつモノが捨てられない両親ですので、ゴミの総量は尋常ではないだろうと覚悟しています。まずはいらないと決断がついているものからせっせと捨てはじめることに。

業者に引き取ってもらうため玄関にまとめていると、ご近所さんが「何ごと!?」と声をかけてくれます。
「今ね、終活してるんですよ〜」と父。

「はぁ? お父さん、何いうとるん? お父さんはもう棺桶に片足突っ込んどるよ。終活ってもっと早くするもんよ。遅すぎる!!」と姉。

 

そう、やってみてわかったことがあります。
80才にもなると日々の生活をするだけでも精一杯。捨てるという決断はできても、ゴミをまとめていくほどの体力はないのです。親が死んでも、生きていても、年老いてしまえば結局片づけるのは子供の仕事なのだと痛感。だとしたら子供の私だって1日も若いうちに終わらせないと!


そして、2つめの気づき。
捨てグセのついていない人間には、捨てるかどうかの見極めができないということ。

何年も開けてこなかった段ボールを開け、「これいるかな〜」とひとつずつ確認して迷い、昔着ていた洋服を取り出してはいちいち思い出に浸る母。そんなペースでやってたらあと20年かかるわ! 何が入っているかが把握できていないものというのは、言い換えれば、なくてもやっていけるってこと。全捨てが基本。
ものを溜め込んできた両親からすると、何を残し何を捨てればいいかが、分からないのです。

「おじいちゃんのもので捨てるかどうかの線引きをどうしようか、迷っているんよ」と父。

「はぁ?お父さん、何いうとるん?全捨てして!!! 」と私。

何かにつけなるべく残そうとする両親に私が言い放ったのは、「80近くなって『いつか使う』の”いつか”はもうないわ! 今使っていないもの以外は全部捨てて!」

昔の食器ってなんでこんなに重いの!? 昔の布団もそう。まとめるだけでも体力が入ります。

そして、3つめの気づき。
すっきり感がないということ。

私が1000枚の洋服を捨てたときにやった「すっきり法」。すっきり感をゴールにしていくというやり方ですが詳しくはこちら、古くて広い戸建てに住む両親には全く通用しませんでした。夫婦二人暮らしなのに6LDKの家。つまり、使っていない部屋がほとんどなのです。そんな部屋がいくらきれいになろうとも、普段閉まっている押入れの中が空っぽになろうとも、いつも見ている景色は変わらず、捨てたのに捨てた感がない! 
朝から晩まで、ヘトヘトになりながら大部分を片づけているのは私。こんなにやっているのに全然すっきり感がない! 達成感がない! 
無駄に収納が多い戸建てゆえに、終わったと思いきや、戸棚を開けるとモノがびっしり! 倒しても倒してもどんどん出てくる敵に、もううんざり……。

しまいには疲れもたまり、怒りが吹き出した。
「なんで私がやらんといけんのよ! あんたらが溜め込んだ荷物を、どうして子供が片付けんといけんのよ! 自分たちの人生じゃろ? 自分で片をつけてよ!」

自分じゃない人のものを、体力もお金も使って片づけなければいけない屈辱。なんで私が親の尻拭いをしなければいけないのだろうか。悔しくて、悲しくて、涙がでた。

(続く)


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撮影・スタイリング・文/昼田祥子
構成/出原杏子

 

 
 

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