fashion

年末の片付けは「２年以上着ていない服」から。服があふれるクローゼットから「高い毛皮のコート」を手放せた！【40代の服捨てドキュメント】

2023.12.17

昼田祥子

新刊『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』を発売された昼田祥子さんがカウンセリングを行う「クローゼット片付け企画」。今回からは藤野文古さん（40代・会社員）の服捨てドキュメントをお届けします。

「服捨てドキュメント〜藤野文古さんの場合」

グラフィックデザイナーとして働く会社員の藤野文古（フジノアヤコ）さん。「昼田さんの連載を読んで、単純にモノを減らすという行動だけではなく、何故自分の現状がこうなっているのかと言う対話になっていて、いつもハッとさせられます。ぜひ自分の生き方や考え方も一緒に更新していきたいです」と応募いただきました。

片付け前のクローゼットは……
ハンガーラックも引き出しも容量オーバー！

ハンガーラックには洋服がぎっしり！　ハンガーラックの下には透明の衣装ケースも。

ベッド下の引き出しからも洋服があふれていて容量オーバーに……！

シューズボックスにはいろいろなタイプの靴がずらり。

洋服代に月に5~6万は使っているという大のファッション好き。クローゼットについて、「定期的に洋服の断捨離は行っていますが、どうしてもクローゼットから洋服があふれてしまいます。また、ついつい衝動買いしたり、なんとなくあったらいいかも……と適当な買い物をして、結果モノが増えるということを繰り返し、何を着てもしっくりこないのが悩みです」と藤野さん。

洋服が増えてしまった理由は？
➡好きだった“モード系”を封印してから
おしゃれ迷走期に……！

元々モード系のブランドが好きだったという藤野さんですが、「会社で後輩に指導する立場になったとき、モード系の服は後輩に怖いと思われそう、と思いモード系の服は着なくなりました。2、3年前はメンズライクな服が好きだったけれど、今は飽きてきて女っぽい服が好きだったり……結果いろいろなテイストの服が増えてしまいました。何が似合うかわからなくて、正直迷走中です」

HIRUTA’S COMMENT

迷っているからこそ「服捨て」が必要です。捨てていくことで、さまざまな「気づき」が起こってきます。そして自分という存在に対して、もっと細かく捉えられるようになります。捨てる前にあれこれ考えなくてもいいです、まずは捨てていきます。

ここから昼田さんによるカウンセリングがスタート！

・まずは2年以上着ていない服を手放す
・捨てたもの、捨てようと迷っているもの、クローゼットを見てどんな感情が湧いたか……など、些細なことでもいいのでLINEで昼田さんに報告する

というミッションを行っていただきました。

変化その①
洋服約50着、衣装ケースも手放せた！
→“どうでもいい服”を買っていた！

約1か月、日々クローゼットと向き合ってきた藤野さん。洋服を約50着手放し、衣装ケースにも空きが出来ました。さらにクローゼットの奥に眠っていたラグマット（写真奥）も発見……！

「2年以内に買ったものがすごく多くて、妥協して“どうでもいい服”を買っていたんだなと実感してます。適当に服を買うって、自分をぞんざいに扱ってることだなーと感じました。空になった衣装ケース、実は引っ越してきたときに業者の方に壊されてしまったものをそのまま使ってました……やっと手放すことができてうれしいです。さらにクローゼットの奥にサイズオーダーしたラグがあったことにも気づきました！」

HIRUTA’S COMMENT

捨てていくうちに、自分はどういうものを買ってきたかを考えるようになります。「好き！」と思って買っていたはずなのに、適当に買っていたということが発見でしたね。そんな自分に気がつけたとき、「次からは〇〇しよう！」と行動も変わってきます。

変化その②
高価な「ファーコート」を手放せた！
→高いと“手放せない”という思い込みに気づけた！

「これまで断捨離をしても毎回捨てられない服があって、そのひとつがこの毛皮のコート。頂いてからまだ1回も着ていないのですが、高価なものだし、年を取ったら似合うかなと思って捨てられませんでした。でも、今回袖を通してみたら、デザインが古くなっていて、リフォームするにも毛皮なので20～30万かかると聞いて……だったら手放そうと思えました。2年着ていなくても、高価なものだから、気に入っているから捨てられないという思い込みがあったんだと気づきました」

HIRUTA’S COMMENT

高価なものだから捨てられない。今回ちゃんと袖を通し、しっかりとその捨てられないコートと向き合ったとき、着るにもリフォームが必要だと分かったわけですよね。リフォームだけでなく、着ればメンテナンスにもお金がかかるでしょう。特殊素材のコートや時計など、維持するにもお金がかかるアイテムがあります。そこまでしてクローゼットにあって欲しいのか、考えてみるのもポイントです。

好きだった“モードな服”に改めてトライ！

表参道にある、モード系の某ブランドショップを訪れた昼田さんと藤野さん。「今日もすごくおしゃれで、存在自体がとってもモード！　デザイン性のある洋服も、藤野さんなら着こなせると思いますよ」と昼田さんに背中を押された藤野さん。ふたたび服捨てを進めていただきます。

途中経過のクローゼット。少しずつ片付いてきましたが、藤野さんの気持ちとしてもまだ“スッキリ”とはしていないそう。

「少しずつ数を減らしていますが、2年以内には袖を通していても、ストレスなく着られる服は少ないなと感じています。まだクローゼットの全体像を把握できていないので、もっと向き合っていきたいです」

HIRUTA’S COMMENT

捨てられないものを前にして、ぜひ考えて欲しいのです。「なぜ私はこれが捨てられないのか」「これを捨てたらどうなってしまうことを自分は恐れているのか」。イケてない自分になってしまうこと？存在感のない自分になってしまうこと？そこにある観念に気がつくことが「服捨て」で大事なことです。

藤野さんの服捨てドキュメント、後編へ続きます。年末に「服捨て」でスッキリしたい方、詳しくは昼田さんの新刊『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』を読んでみてくださいね。

＜新刊紹介＞
『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』
著：昼田祥子
定価：¥1540（税込）
講談社

Amazonはこちら
 楽天ブックスはこちら

クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。

取材・文／出原杏子

PROFILE

昼田祥子Sachiko Hiruta

ファッションエディター／出版社勤務を経て、フリーランスへ。2016年に大規模なクローゼットの片付けに着手し、1000枚近くあった洋服がわずか20枚に。洋服好きだからこそ捨てられない葛藤を経験し、「おしゃれとは自分が心地よくあること」と気づく。「ウェルビーイングな生き方」を目指し、瞑想インストラクターとしても活動中。2020年山形へ移住し、2023年春から東京へ拠点を移す。初の著書『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』が11月30日に発売に。
Instagram：@hiru.1010